糸川英夫 私と戦闘機「キ-44」

部屋の掃除をしたら出てきたVHS。 Wikiを書く陸軍戦闘機ファンや糸川ファンならご存知のことと思うが、原題は勿論、 『糸川英夫 私と戦闘機「隼」―太平洋戦争の陸軍戦闘機を検証する―』文藝春秋 である。 だが、その内容たるやタイトルとかけ離れること著し…

普天間報道雑感

普天間の町並みを視る機会が多くなった今日この頃、ふと宜野湾に住んでいた旧友を思い出した。 小中の頃から既に、『サンクチュアリ』(池上遼一)の中城規介と瓜二つな風貌を持つ奴だった(笑)*1 彼の親父さんは宮古出身の教員だったのだが、彼も色が白か…

泡瀬「沖合い」埋め立て“中断”に反対します

沖縄市を創った巨星、中村哲二郎元美里村長が、9月11日に亡くなられました。 大山朝常に続いて巨頭を失い、郷里の寂寥感は計り知れません。 四十九日も終わらない最中ではありますが、彼らの夢を虚しくする報に接し、ご遺志を継げなかったことを悔いて落涙す…

或る農村の風景 ―沖縄タイムス[大弦小弦]―

内外の文人どもは何を見ていたのかと思うことが多い。 したり顔でオキナワの日常を語る内地人も然りで、読むと失笑するものばかりである。今日のタイムスはあまりに酷いので記録しておく。 少年犯罪が急増の次は、DVが急増と煽りたいのだろうか。 [大弦小弦…

琉球列島の終戦記念日

勉強会で総合電機メーカーの役員だった方々と話しをする機会があった。 戦中生まれで、軍国少年だったのを窺わせるような威勢の良い方々であった。 酒が入って出身地の話しになった時、自分が沖縄出身であると知ったある方は、今度戦跡巡りをしようと思って…

SIDOOH ― 士道 ― に見る肌色の違い、国の違い

ヤングジャンプに連載中の士道。 会津と薩摩の野郎達が組んず解れつ殴り合って理解しあう様から、原哲夫的な作品なのかなぁ…というのが第一印象だった*1。同時に、西郷隆盛の傍に居るマイケル・ジャクソンみたいな野郎は誰だ?と気になった。 最初、リャンと…

8/13は沖国ヘリ墜落記念日

あれから5年が経つのか。 内地メディアやネットの黙殺・争点ずらし、市民系の「返還地耕してメシを食え」精神の鼓吹。この5年、毎年よくもまぁ議論の為の議論をするものだと思っていた。事件の年は内地に居り、讀賣などを読んでいたので状況が全く分からなか…

大佐殿の下でも

大佐殿の記憶とともに、九州の友人との懐かしい記憶も甦ってきた。 異郷の地で初めて知り合いになったのは、ラ・サールと鶴丸の人々であった。 非常に対照的な2人だったように思う。 ラ・サールの人は、孤高な雰囲気を漂わせる極左で、全共闘の時代について語…

坂間勇先生一回忌

坂間先生が亡くなられていたことを最近知った。 http://k.hatena.ne.jp/keywordblog/坂間勇 http://www.onaneet.org/blog/2008/10/08/坂間勇/ 先生の本には随分とお世話に… 否、あのぶっ飛びっぷりに泣かされたことが思い出される。 駿台物理といえば山本義…

良が良し!

桑江良逢(クワエ・リョウホウ)は大正11年、首里市崎山町に生まれた。 生粋の首里人であるらしく、来沖してから初めてのインタビューでは次のように答えている。 「桑江一佐は沖縄出身と聞きましたが、沖縄は、どちらの御出身ですか?」 「ハイ、首里市崎山…

プロジェクトの進め方=東京大教授・坂村健

五百旗頭大学校長が毎日で連載を持たれている。 彼の苦労は計り知れないなぁと思いつつ、今回は坂村健教授の『欧州「カメ型」の長所発見』に惹かれた。 以前の業界におけるEUのプロジェクト進行形態も、これと似ているように思える。 こちらから見るとあまり…

橘餅 ―馬来西亜とのつながり―

後輩の地元について調べると、色々と繋がりがあって面白い。 興味を惹かれた一つが、大好物の橘餅である。 純マレー系の彼はあまり食さないようだが、客家が多い国だけあって、生活に根付いているようだ。 荒井茂夫 他,『マレーシア華人料理における香辛料利…

『メレヨン島 生と死の記録』, 朝日新聞社, 1966

第24師団の装備調べのためにと、良逢の記録に触れた。 「マレヨン島」には、飯島大隊の内、砲兵第二中隊(高橋隊)と第二中隊(桑江隊)が居た。 内地で再編された経緯は、メレヨン島守備隊関係年表が分かり易い。>メレヨン島守備隊関係年表(p.344) メレヨ…

国費いろいろ

今日は上半期最良の日となった。 就職支援をしていた国費留学生の内々定が決まったからだ。 敬虔なムスリムである彼らしく、真っ先に連絡しに来てくれて、本当に嬉しかった。 彼の出身地は戦記でもよく出てくる所で、銘苅家から最初期の移民を出しているらし…

トービーラーと同じネタ!?

Web

id:finalvent氏のブログで面白いネタを見つけた。 そういう面もあるのだけど。 上の世代がどこまでを指すのか曖昧だけど。 一般的には、沖縄の戦中世代までは、皇民化教育が行き届いているので、きちんとした日本語が話せます(もちろん、外国語として習得し…

大田昌秀×佐藤優 『世界』 7月号

前回同様勇み足もあるが、今回は大田元知事の本領が発揮されていて良かった。神・八原・キャラウェイ・橋本とのやり取りは必見である。また、次がリービ英雄なのも良い。なんだか懐かしい気にさせてくれる。 先ず、神直道航空参謀*1 台湾沖航空戦の頃、園比…

(続)大陸打通 ―となりのせきのだつおくん―

前出、西沢曹長は始め仙台第2師団、高田第30連隊に入営している。 高田第30連隊は沖縄戦時、第28師団として宮古島に駐屯しており、飢餓により戦病死394人を出す。宮古諸島民の戦没者は、宮古八重山の推定戦没者8590人から八重山約3600*1を引いた約5000という…

大陸打通 ―となりのせきのだつおくん―

今週の週刊朝日の表紙は、松ケンであった。 彼が津軽弁を駆使する『ウルトラミラクルラブストーリー』の宣伝を兼ねてのことらしい。 むつ市出身の彼が下北弁を喋るのは有名で、徹子の部屋でも披露していたそうだが、今回の映画では津軽弁である。難しかった…

『戦場の素顔 大陸戦線徒歩三万粁』

NHKの『中国戦線 大陸縦断 悲劇の反転作戦 〜福島県・若松歩兵第65連隊〜』を見た。西沢曹長の記録と概略もそう違いなく、マイルドな仕上がりだったように思う。CGにはもう少し詳細な情報を載せてくれると有り難かったが、それはさて置き、番組で先ず印象的…

 エネゴリくん、筋金入りの短期キャラなのね!

先日は日石の友人らとよもやま話し。 ちと苦し紛れの感あるものの、水川あさみ+エネゴリくんって、結構成功だったんじゃないかいうことで一致を見た。自分はエネゴリくん好きなんだが、友人らはメジャーの背番号着けたイチローの頃が良かったとか何とか。収…

桑江良逢に繋がる人々 ?

良逢に繋がる陸士55期は、良くも悪くも純粋な人が多いように思う。 藤原彰しかり、十日そこらで大臣を辞めさせられた永野茂門しかり。 だが、その中でも朝鮮出身者は比較的バランスが取れていたのではないだろうか。 良逢は、教え子(佐藤某)が沖縄に来た時…

桑江良逢 『幾山河』 原書房 Ⅲ 牛嶋軍司令官

良逢は沖縄戦の司令官一家と縁が深い。 陸軍予科士官学校時代は牛嶋少将(当時)が校長、長男の茂とは同期(陸士55期)である。また、義父の崎山嗣朝*1は那覇市長だった昭和18〜19年頃、牛嶋・長両氏と同席した時のことをよく覚えていた。 「牛嶋サア。オマ…

雑誌大田昌秀氏の対談―世界6月号と週刊朝日5月22日号から―

遅きに失した感はあるが、『世界』と週間朝日を同時に読む機会があった。 見比べると、朝日が大田氏に良記事を以って諭しているようで面白かった。 自分は朝日ほど優しくはないので、少々ツッコむ。最も重要だったのは、若泉敬氏の死についてである。 佐藤優…

桑江良逢 『幾山河』 原書房 Ⅱ-b-「チムグルサヌ」

移駐した翌月、良逢の歓迎会を兼ねて沖縄一中のクラス会が催された。 正確には2年から広島陸軍幼年学校に入っているので、中途退学者[*1]であったのだが、正規のクラス会員の一人として歓迎されたことに、彼は感激している。40年ぶりのクラスメートも多く、…

桑江良逢 『幾山河』 原書房 Ⅱ-a-

桑江氏の著書を以って始めとしたい。 これは、彼がある一群の思考形態を最も端的に表しているように思えたからであるが、日本復帰から正確に10年後の5月15日に刷られた本書は、復帰後37年が経過した現在も色褪せることの無い示唆に富んでいる。表紙は理由が…